この記事では、焙煎での温度管理に役立つ温度管理ソフト「Artisan」と「MS6514デジタル温度計」の導入から設定までを詳しく解説します。
焙煎をもっと正確に、データで管理したい方はぜひ参考にしてください。
1. 必要な機材の紹介

- MS6514デジタル温度計
手鍋焙煎に最適なシンプルで安価な温度計です。K型熱電対センサーで高精度の温度測定が可能。
※その他の機材として、CENTER 306、Arduinoなどで代用可能です。 - パソコン(Artisan導入用)
Windows、Mac、Linuxでも可能 - 接続ケーブル(USB-シリアル変換など)
温度計とPCをつなぐためのケーブルが必要です。
※MS6514は熱電対、接続ケーブルがセットになっています。
2. Artisanのダウンロードとインストール方法
Artisan公式サイトから最新バージョンをダウンロードします。
https://artisan-scope.org
Windows、Mac、Linuxに対応しています。
ダウンロードしたファイルを開き、画面の指示に従ってインストールします。
補足ですが、私は古いMacBookAir(Big Sur)にソフトをインストールして使っているのですが、最新版が対応してなかったため、前のバージョンのものを利用しています。
基本的に古いバージョンは不具合などがあったり、最新のドライバーなどに対応していないなど問題がある事があるので、古いバージョンを使用する際は自己責任で利用するようお願いします。
可能な限り最新版を利用しましょう。
3. MS6514の接続用のドライバーのインストール
MS6514の接続用のドライバーをインストールします。
Silicon Labのサイト
https://www.silabs.com/

右上の検索から「CP210x VCP」と検索し、「CP210x USB to UART Bridge VCP Drivers」を選択します。


使用するPC環境に合わせてドライバーをインストールしてください。
4. MS6514の接続と動作確認
- MS6514温度計とK型熱電対センサーを接続します。
- USBケーブルでPCに接続します。

T1とT2があり、豆温度と排気温度が計測できます。手鍋焙煎で排気温度は必要ないので、豆温度を測るために、T1のみに接続して使用しています。

SETUPボタンを押して、「TYPE」の部分をK(K型熱電対)に設定します。
PCに接続してドライバーが読み込まれるかを確認します。
5. Artisanの初期設定
- Artisanを起動し、メニューから「構成」→「機械」を選択し焙煎機の機種を選択
- メニューから「構成」→「デバイス」を選択し今回の場合MS6514温度計を選択
- 使用するドライバーとポートを選択し、MS6514に合わせた設定を入力
- グラフの表示設定やログの保存場所を指定

機械は鍋焙煎の場合は選択できないので、適当な機種を選択。
今回は、とりあえずKaldi Fortisを選択しています。

デバイス設定で、MS6514が選択できるので選択してOKを押下します。

ポートの選択部分で、正常にドライバーがインストールされていれば、CP2102が選択できるようになるはずなので、そちらを選択。
そのほかはそのままの設定にしOKを押下します。
6. 温度計測の開始とデータ確認
- 「ON」ボタンで温度計の温度が表示されるか確認
- 「START」ボタンで温度のリアルタイム表示を確認
- グラフが正しく描画されているかチェック

右上の「ON」ボタンを押すと温度など表示されるようになります。
その時に、MS6514温度計の「SETUP」ボタンを長押ししてUSBでデータを送信できるようにしないとPCに表示されないので必ず長押しします。温度計のディスプレイにUSBと表示されます。

右側の上記の場合、BTの青い部分に温度が表示されればデータがしっかり送られてることが確認できます。

「START」ボタンを押して、正常に動作するか確認します。
あとは、自身の焙煎にあった使いやすい設定をすれば設定は完了です。
私は、「Kenken Coffee」さんの動画を参考に設定させていただきました。
まとめ
MS6514とArtisanの組み合わせは、手鍋焙煎の温度管理を手軽に始めたい方に最適です。
この記事を参考にして、ぜひ温度管理にチャレンジしてみてください。
注意点なのが、RORのデータがうまく取得・表示できない可能性があります。
私の環境ですと、かなりブレてしまい綺麗には取得できていなくて、あくまでも参考程度に使用しています。
温度計のセンサーの付け方や種類によって、またはArtisanの設定方法でも対処できるのかもしれませんが、今のところ解決策が見つかっていないので、その辺りは自身の環境でいろいろ試してしただけると幸いです。